2007 Fiscal Year Annual Research Report
MeVガンマ線全天探査装置の開発および長期間気球フライトによる実証観測
Project/Area Number |
07J01544
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 広展 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コンプトンカメラ / 大型化 / 省電力PMT読み出し回路 / 気球 / 省電力ASIC / TPC / マイクロピクセルチェンバー / MeVγ線 |
Research Abstract |
平成19年度は天体MeV領域γ線観測に必要な30cm角のγ線カメラを製作した。また同時に気球搭載を可能にするために検出器の省電力化を行った。本研究においては平成18年度に実験がおこなわれた10cm角のコンプトンカメラを30cm角に拡張しMeVγ線に対する有効面積を飛躍的に増やし、天体観測が可能なコンプトンカメラを製作することがひとつ目の課題である。私はすでに開発済みの30cm角のマイクロピクセルチェンバーに30cmの高さのドリフトケージを作成し気密容器に封入することでコンプトンカメラの中心部である30cm角TPCを作成した。また、平成18年度気球実験に用いたものと同タイプの散乱γ線用シンチレーションカメラで30×30cm2のものを作成し、TPCと組みあわせることで(30cm)3のコンプトンカメラを作成することに成功した。そしてこのコンプトンカメラの正常動作も確認した。一方、TPCとシンチレーションカメラの両方とも既存の読み出し回路システムでは電力量が気球搭載可能な範囲をこえるため、あらたな読み出し回路システムの開発をおこなった。TPC読み出し回路においてはKEKと連携しCMOSプロセスを利用した集積回路チップの開発を進め、現段階では目標の性能まで到達しないもののTPCからの信号を取り出すには十分な性能をもつものになり、1、2年で実用可能になるレベルに達した。シンチレーションカメラの読み出し回路においては、集積回路、抵抗分割読み出しなどいくつかの方法をためした結果、クリアパルス社と共同で開発したヘッドアンプと抵抗チェーンを組み合わせることで必要な性能を十分な低電力で実現することに成功した。
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Research Products
(4 results)