2008 Fiscal Year Annual Research Report
事実を聞き出す面接法 -認知面接の半自動化に向けた基礎的・応用的検討-
Project/Area Number |
07J01567
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白石 紘章 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 面接法 / 搜査面接 / 想起促進 / インタラクティブシステム / コミュニケーション / 心理学 / 法と心理学 |
Research Abstract |
認知面接法は,被害者・目撃者から,出来事に関する多くの正確な情報を引き出す方法であるが,習得の困難さなど課題も多い。コンピュータが認知面接を実行する利点として,面接官バイアスを防ぐことなどが挙げられる。昨年度,このコンピュータ面接プログラムの効果を検討する実験を実施したが,改善すべき点も明らかとなった。今年度は,昨年度の研究成果をもとに,改善,及び知見の集積を目指す以下3つの実験を参加者計126名に面接を実施した。今年度は,追加データの収集を主として行った。 1.「ラポール段階を改善した自動認知面接の検討」ての研究は,ラポール構築の改善を目指す目的で行った。被面接者に配慮した面接を実施するためには,ラポール段階を改善し,緊張をやわらげることが好ましい。ラポール段階を改善した面接を昨年度同様の手続きで,21名に実施した。 2.「フィードバック,及びコンピュータ面接官の有無による自動認知面接の効果」昨年度,及び研究1の問題点は次の2点である。1)面接官キャラクターの被面接者へのフィードバック(e.g.,頷き)の効果と認知面接自体の報告量増大の効果を区別できない,2)ベビー図式を使った面接官キャラクター自体が面接にどう影響しているのか。そこで,研究2では,コンピュータ認知面接において面接官にキャラクターを用いることの意義とフィードバックを返す効果について検討した。この実験には63名が参加した。 3.「短縮版自動認知面接の検討」被面接者の負担を最低限にするため,短縮版認知面接を扱う先行研究の結果をもとに,文脈の心的再現,悉皆報告,逆行再生の3つを含む短縮版自動認知面接を作成し,計42名からデータを収集した。結果は通常の認知面接技法を使った研究の結果と比較する。 現在,録音データのテープ起こしを実施している。次年度はデータ分析を主に実施する予定である。
|
Research Products
(3 results)