2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチPK抗体を用いた細胞内プロテインキナーゼ解析法の確立と糖尿病研究への応用
Project/Area Number |
07J01637
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
杉山 康憲 Ehime University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プロテインキナーゼ / 網羅的解析 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究の一つめの目的は、細胞内に存在しているプロテインキナーゼ(PK)を網羅的に検出できるマルチPK抗体を用いた、細胞内PK同定法の確立である。細胞内PKを網羅的に検出・同定することができれば、様々な生命現象の解明や疾病の原因探求に役立つと考えれれる。今回我々は、マルチPK抗体の抗原部位であるサブドメインVIB配列にメチオニンが存在しないことに注目し、PKを臭化シアンで分解し、その分解断片の検出を行った。そして、PKの分子量、等電点ならびにPK分解断片の分子量から、該当するPKを推測し、特異的抗体で検出することでPKを同定する方法を確立した。本研究の二つ目の目的はPK同定法を用いて糖尿病の原因PKを同定、解析することである。糖尿病が深刻化する要因である糖毒性の原因が分かれば、糖尿病の治療に繋がると考えられる。そこで、糖尿病モデル細胞であるINS-1細胞において、マルチPK抗体を用いて検出された、インスリン分泌に比例して発現変動するPKの同定および解析を行った。上記したPK同定法を用いることにより、このPKがCaMKIVであることを明らかにした。CaMKIVは糖毒性条件下において発現量が低下しており、これはカルパインによる分解によって引き起こされると示唆された。また、CaMKIVがインスリンの発現を制御していることが明らかになった。さらに、糖尿病モデルラットであるOLETFにおいても、CaMKIVの発現量が低下していることが確かめられた。
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Research Products
(7 results)