2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01656
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 江里 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 受精 / 精子誘引活性 / 発生学 |
Research Abstract |
1本研究の背景と目的 「受精」という生命にとって重要なイベントにおいて、確実かつ正常に発生を行うために実に巧妙な作戦がとられている。多くの動物において、未受精卵は精子誘引作用を示し、その精子誘引活性は受精後に消失する。受精の効率を上げ、多精を防ぐために重要な現象の1つである。精子誘引活性を直接引き起こすのは精子誘引物質である。精子誘引物質については、いくつかの種で構造が明らかになっているが、分子機構については殆ど解明されていない。 本研究は、受精時の卵による精子誘引活性の制卸機構を解明することを最終目標とし、研究期間中においては、精子誘引物質の放出パターンの解析及び精子誘引物質の輸送経路に関わる分子機構の解析を行うという計画を立てた。 2今年度の研究成果 今年度は、精子誘引物質の輸送経路に関わる遺伝子についての解析を行い、二次元電気泳動法ならびに質量分析を用いた解析により卵内でVCP/p97という分子が存在することを突き止めた。そしてこのVCP/p97が精子誘引物質と結合していることを明らかにした。卵内から膜表面に精子誘引物質を輸送する可能性があると考えられる。 ホヤ卵内でのVCP/p97の存在を明らかにしたのは本研究が初めてであり、卵内での精子誘引物質との因果関係を明らかにした点で、発生分野における基礎研究に貢献出来た。 来年度は、このVCP/p97と関連する卵内のタンパク質を探索するとともに、精子誘引物質を放出制御する卵膜表面のタンパク質についても解析を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)