2009 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合に基づく光反応性メソゲンを有する高分子液晶の合成と光配向制御に関する研究
Project/Area Number |
07J01664
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 江美 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 液晶 / イオン伝導 / 自己組織化 / 光配向 |
Research Abstract |
イオン伝導性・電荷輸送性輸送材料において、分子配向が輸送特性に重要であることが知られている。光による分子配向制御は、クリーンな工程のみでなく、パターン化、三次元的な配向が可能である。イオン伝導性・電荷輸送性液晶の光を用いた分子配向制御を目的とした。光応答性のアゾベンゼンを導入したイミダゾリウム塩骨格を有する分子を設計合成し、その光配向制御ならびにイオン伝導挙動についても調べた。 イミダゾリウム塩骨格にアゾベンゼンを結合した分子を設計・合成した。化合物はイオン性であるイミダゾリウム部位と非イオン性であるアルコキシフェニルおよびアゾベンゼンメソゲンとがナノ相分離することで液晶相を示した。化合物は、ネマチック相ならびにスメクチックA相を示した。化合物に、室温で365nm光照射し、Z体を形成した後に、540nmより長波長の直線偏光可視光照射と続く熱処理によって、照射した偏光と同方向に分子配向を誘起することができた。この光による分子配向制御は可逆的であり、分子の配向方向を任意に変えることが可能で、パターン化も容易に行うことができる。 次に、光配向によって分子配向制御したイオン伝導性液晶のイオン伝導度を測定した。電極に対し平行方向に分子配向している場合、スメクチック液晶相温度範囲では、イオン伝導度の向上が見られた。ネマチック液晶相においてはイオン伝導度の低下がみられた。これは、分子ダイレクターの方向にイオンが流れやすいためである。イオン伝導度の異方性は約10倍であり、分子配向による伝導パスの形成が示唆される。 さらに、光配向が可能な電子伝導性液晶の合成と光配向制御に関する研究についても行い、その配向制御についても達成した。
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Research Products
(5 results)