2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01665
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 裕 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 弦理論 / Dブレーン / 閉弦の場の理論 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、OSp不変な閉弦場の理論において、符号の違う2種類のBRST不変な状態を構成する事ができていた。また、これらの状態は、Dブレーン、あるいはゴーストDブレーンの励起した状態であると考える事ができた。ただし、どちらの状態がDブレーンに対応するのか決定する事はできていなかった。このような状況を踏まえ、本年度の目標は、大きく分けて次の2点であった。 1、2種類のBRST不変な状態のうち、どちらがDブレーンの励起した状態で、どちらがゴーストDブレーンの励起した状態かを決定する。 2、この構成を超弦の場合に拡張するため、OSp不変な閉弦場の理論を超対称な場合に拡張する。 研究目標1は、次の様にして達成することができた。まず、OSp不変な閉弦場の理論のobservableを与え、これを用いて計算した真空のまわりの摂動振幅が、第一量子化の結果と一致する事を示した。次に、上で与えたobservableを用いてdisk振幅を計算した。得られた振幅を第一量子化の結果と比較することで、Dブレーン、ゴーストDブレーンを決定する事ができた。 研究目標2は、完全に達成する事はできなかった。特に、冪零なBRST変換を作る事ができていない。変換のうち,弦の結合定数の0次と1次の部分に関しては、作る事ができた。ただし、結合定数の2次に相互作用点が近づいたときの寄与による発散がある。この発散をうまく処理する手法が必要であるが、具体的な形を得る事ができなかった。また、Ramond場を含めるという問題も残っている。 上記の研究目標以外に、N枚の重なったDブレーンが励起した状態、N枚の平行に離れたDブレーンの励起した状態も構成する事ができた。
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Research Products
(5 results)