2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01682
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
二本杉 剛 Osaka University, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ニューロエコノミックス / いじわる / 利他性 / fMRI / 意思決定 / 相対所得 |
Research Abstract |
ヒトの社会行動の源泉を明らかにすることは、社会経済の制度設計において大変重要である。制度にどのようなインセンティブを含めるかにより、制度の効果は大きく異なる。ヒトの社会行動の源泉を知ることができれば、制度の目的に沿ったインセンティブを知ることができる。本研究では経済実験の手法を用いて観察されているいじわる行動と親切行動を中心に社会行動の源泉を明らかにする。いじわる行動とは、自己の利得を少し下げてまでも相手の利得を大きく下げようとする行動であり、親切行動とは、自己の利得を少し下げてまでも相手の利得を大きく上げようとする行動である。今年度は、前年度に行った実験結果を論文および図書とした。内容は以下の通りである。被験者は親切にされたときには、吻内側前頭皮質の後部領域の活動があった。この脳領域は、モニタリングやコンフリクトに関わることが先行研究からわかっている。我々の実験は、正の互恵関係がある実験デザインであるため、被験者は将来より良い行動ができるように相手の行動をモニタリングしていたことがわかった。また、相手の親切行動に何かしらの奇妙な意図があると捉えていたことがわかった。つまり、親切にされることとは不自然なことであり、理解し難いことであると認識しているということである。さらに今年度は、前年度に行った実験ではわからなかった、いじわる行動に関わる意思決定の脳活動を計測するための行動実験を行った。その、行動実験の結果をもとにfMRI実験のデザインを完成させた。来年度は、その実験をおこない、結果の分析及び報告、論文執筆を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)