2007 Fiscal Year Annual Research Report
診断薬創製を目指したin vivo蛍光プローブの開発と応用
Project/Area Number |
07J01686
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清瀬 一貴 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トリカルボシアニン / 近赤外蛍光プローブ / pHプローブ / レシオ型 |
Research Abstract |
当初の研究計画通り、金属以外をターゲットとする近赤外波長変化型蛍光プローブの開発に取り組んだ。具体的には、各種ジアミン構造を有するトリカルボシアニンを合成し、それぞれの光化学特性を精査した。その結果、導入するアミンの種類によってそのpK_aが大きく異なり、pK_aの値はアルカリ性側から強酸性側と、非常に幅広い値を有するシアニンを合成できる事が明らかとなった。これは、目的に応じたpHプローブの分子設計が可能であることを示唆する結果である。例えば、pH6付近にPK_aを有するものは細胞内の酸性環境を検出するのに適しているし、pH3付近にPK_aを有するものは消化管のpH変化を検出できる可能性がある。 今回は消化管のpH変化を検出する事を目的とした。消化器疾患治療薬としては、胃酸を直接中和する炭酸水素ナトリウムや、胃酸の分泌を抑制するH2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターなどが挙げられる。これらは何れも胃内部のpHの上昇をもたらす事が知られており、蛍光プローブを用いたレシオイメージングにより、これら制酸薬の治療効果を検討できると考えた。胃内部に均等に局在させるため、ポリエチレングリコールを付加したプローブを作製、ヌードマウスに蛍光投与したところそのレシオ値から胃内部は強酸性環境であることが示された。また予め炭酸水素ナトリウム溶液を投与したマウスを用いて同様の実験を行ったところ、レシオ値は大きく低下し、胃のpHが上昇している事が示された。現在他の医薬品を投与した場合においても、胃のpH上昇が検出できるか検討を行っている。
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Research Products
(12 results)