2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性体の磁気構造の解明ならびにナノ磁気構造の制御に関する研究
Project/Area Number |
07J01705
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮町 俊生 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノテクノロジー / 走査トンネル顕微鏡 / 磁気円二色性 / 光電子顕微鏡 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
近年における情報産業の発展、パソコン需要の拡大等により、外部記憶装置である磁気記録装置に対する高密度化が必要とされている。今日では磁気記録素子のナノメートルスケールでの微細化が可能となっており、ナノメートル分解能の構造評価を組み合わせたナノ磁性体の磁化分析が必要不可欠となっている。本研究では、ナノテクノロジーへの応用の観点から関心が高まっているが、表面ナノ磁気構造等の諸物性が未だ明らかにされていないbcc Co薄膜のナノスケールでの磁性と構造の相関関係を走査トンネル顕微鏡/分光(STM/STS)、XMCD(軟X線磁気円二色性)、PEEM(光電子顕微鏡)を用いた総合的な手法により明らかにすることを目的としている。これまでに成長条件が1.室温成長の場合にはbcc CoがAu(001)上にエピタキシャル成長し、2.室温成長後230℃アニールの場合には、ナノ構造化することをSTM/STS測定から見出し、XMCD,PEMM測定によりbcc Coクラスターの軌道、スピン磁気モーメントのクラスターサイズ依存性を詳細に調べ、bcc Co薄膜のナノ構造化により現れたクラスターのedge atomの存在が垂直磁化発現の起源であることを明らかにしてきた。今年度はさらに詳細な解析を行い、edge atomのみの磁気情報を抽出し、定量的に軌道、スピン磁気モーメントの値を見積もった。理論計算からもアプローチを行い、第一原理計算から得られたbcc Co薄膜およびナノ構造の磁気モーメントの値と実験結果との比較を行った。現在得られた実験結果をまとめており、論文投稿の最終段階入っている。
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Research Products
(4 results)