2009 Fiscal Year Annual Research Report
受容体間ヘテロ多量体形成:大腸菌でのランダム変異と共鳴エネルギー転移の応用
Project/Area Number |
07J01716
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 登紀子 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / アデノシン受容体 / P2Y受容体 / BRET / ダイマー |
Research Abstract |
現在臨床で用いられている多くの薬のターゲットであるGタンパク質共役型受容体は、多量体で機能するという報告が活発になされている。生体内で機能する詳細なメカニズムを解明する上で、多量体形成インターフェイスの特定は重要である。前々年度は、Gタンパク質共役型受容体の一つであるA_1アデノシン受容体の多量体形成インターフェイスは4番目と5番目の細胞膜貫通領域に存在すると予想し、そこに含まれる4つのアミノ酸残基に関する部位特異的突然変異体を用いて免疫沈降を行ったが、予想に反して多量体形成に大きな変化は見られなかった。一方、変異体のリガンド結合はほぼ完全に消失するという興味深い結果を得たので、昨年度はそれらの結果をまとめて雑誌に投稿した。更に、査読者の指摘に従って、結果を再確認する実験を行った。すなわち、免疫沈降は界面活性剤により細胞膜を可溶化した状態で行うので、より自然な状態での多量体形成を測定するため、BRET(生体発光共鳴エネルギー転移)実験により、昨年度の結果を確認する結果を得た。また、変異体の細胞膜での発現は免疫染色し、共焦点顕微鏡による観察で確認していたが、細胞外領域のシステインをビオチン化し、ストレプトアビジンビーズにより細胞膜に存在するA_1受容体のみを単離する方法で、野性型と変異体で細胞膜移行に変化がないことも確認した。これらの確認実験により、昨年度立てた仮説をより強固に支持する証拠を得たので、再度論文にまとめて再投稿し、Joumal of Neurochemistryに掲載された。
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Research Products
(4 results)