2007 Fiscal Year Annual Research Report
改変翻訳系を用いた天然デプシペプチドの全合成及び誘導体ライブラリの構築
Project/Area Number |
07J01722
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 淳 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ペプチド薬剤 / スクリーニング / デプシペプチド / ペプチドライゲーション / 遺伝暗号 / 非天然アミノ酸 / リボザイム |
Research Abstract |
本研究の目的は、当研究室で開発された特殊ペプチド合成技術を用いることで、微生物が産出するような複雑な構造をもつペプチドを合成し、さらにそれをライブラリ化、スクリーニングする事で新規な生理活性ペプチド探索することである。本年度は、その中でも天然物を模倣した主鎖環化ペプチド翻訳合成技術の開発に成功した。また今後の応用を見越して、環化ペプチドライブラリ構築法及びスクリーニングのパイロット実験を行った。 微生物が代謝するペプチドの多くは、主鎖が環状化した骨格を持っている。これは3次構造の剛直化とそれに起因する標的との結合力の増強、ならびにペプチダーゼ耐性及び膜透過性の向上に寄与している。一方、翻訳系を用いて合成されたペプチドは主鎖が直鎖のものに限られている。そこで筆者は、C末端にチオエステル骨格へと自発的に変換するCys-Pro-Glycolicacid配列(非天然アミノ酸:グリコール酸)を挿入し、N末端アミノ基とのペプチドゲーション反応を起こす事で、ペプチド環化を試みた。質量分析の結果、定量的に環化反応が進行することが分かり、薬剤候補化合物である主鎖環化ペプチド、scleramideの翻訳合成に成功した。 また、筆者らは当研究室で開発された、チオエーテル架橋による環化ペプチド合成技術を利用して、天然の抗菌ペプチドを模倣した環化ペプチドライブラリを構築した。このライブラリはいくつかの共同研究先に提供された他、筆者自身においても抗菌ペプチドのスクリーニングに活用された。残念ながら、本スクリーニングではヒット化合物は見いだされなかったが、ライブラリ構築法及びスクリーニング法を確立することができた。
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Research Products
(4 results)