2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01750
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木原 泰行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脂質メディエーター / アラキドン酸カスケード / ホスホリパーゼA2 / プロスタグランジン / 血小板活性化因子 / 自己免疫疾患 / 多発性硬化症 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 |
Research Abstract |
多発性硬化症は中枢神経系を侵す炎症性脱髄疾患である。欧米諸国における有病率は高いが、日本では稀な疾患のため特定疾患に指定されている。多発性硬化症の発症原因には不明な点が残されており、現時点では根治療法はない。多発性硬化症のマウスモデルと考えられている実験的アレルギー性脳脊髄炎の研究から、CD4陽性T細胞がこの疾患で重要な役割を担っていることが示唆されている。近年、細胞質型ホスホリパーゼA2が実験的アレルギー性脳脊髄炎において重要な働きをしていることが報告された[Neuron 41,323&J.Exp.Med.202,841]。これらの報告から、細胞質型ホスホリパーゼA2によって産生される種々の脂質メディエーター(プロスタグランジン類、ロイコトリエン類、リン脂質類など)がこの疾患に深く関与していることが考えられるが、これらの脂質メディエーターのうちどの分子がどのように関与しているかを網羅的に解析した研究はほとんどない。そこで、本研究では実験的アレルギー性脳脊髄炎の病巣部における脂質メディエーターを前駆体および代謝産物と併せて網羅的に定量し、加えて脂質メディエーター代謝関連酵素及び受容体のmRNA含量も定量した。病態の推移に伴い、脂質プロファイルはダイナミックに変化していることが明らかとなった。さらに、代謝酵素または受容体の欠損マウスを用いて、病態の推移及びT細胞の免疫応答などの解析を行い、複数の脂質メディエーターが複雑にこの疾患を調節していることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Involvement of Proton-Sensing TDAG8 in Extracellular Acidification-induced Inhibition of Pro-inflammatory Cytokine Production in Peritoneal Macrophages2009
Author(s)
C Mogi, M Tobo, H Tomura, N Murata, X He, K Sato, T Kimura, T Ishizuka, T Sasaki, T Sato, Y Kihara, S Ishii, A Harada, F Okajima
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Journal Title
Journal of Immunology 182
Pages: 3243-3251
Peer Reviewed
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