2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01851
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神 紘一郎 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNAワールド / 脂肪酸生合成 / リボザイム / 細胞膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体内でタンパク質が司る脂肪酸合成をリボザイム(RNA触媒)によって実現させようとするものである。原始世界において生命が誕生するために必要不可欠な要素であったとされる、膜(脂質二重膜)の合成をRNAが担っていたとするならば、「RNAワールド仮説」を実証することになる。 脂肪酸生合成は四つの反応によって進行する。本研究では各反応を触媒する四つのタンパク質と同じ触媒能を持つ四つのリボザイムを獲得することが必要となる。平成19年度はそれらの獲得を目指し、ランダムRNAプールからのリボザイム(特にチオラーゼリボザイム)のセレクションを行った。 昨年度、当初の計画通りにセレクションを行ったところ目的とする活性種は得られなかった。そこで、 1)修飾基質のリンカー部位の構造を長くする、2)マロン酸誘導体を用いエノラートの生成を容易にする、3)活性エステル部位を導入してエノラートの生成を容易にすると共に、紫外線照射により除去可能な保護基を用いる、といった工夫を盛り込みセレクションを行った。だが、現在のところ目的のリボザイムは得られていない状況である。 本研究の一方で、所属研究室にて既に獲得されたアミノアシル化活性を持つリボザイム「フレキシザイム」を用いて、天然のペプチドホルモンを模擬した人工ペプチドの翻訳合成に取り組んでいる。
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