2007 Fiscal Year Annual Research Report
自動車の先進的運動制御技術の開発-キャパシタ駆動小型電気自動車による実験的検証-
Project/Area Number |
07J01854
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河島 清貴 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 電気自動車 / 電気二重層キャパシタ / 制御工学 / 二自由度制御 / ロールスタビリティ制御 / 外乱オブザーバ / 車両姿勢制御 / ロール角オブザーバ |
Research Abstract |
研究代表者は宇宙工学や航空工学等で用いられている制御工学をインホールモータ搭載電気自動車における車両姿勢制御技術に応用し、高性能な運動制御が可能であることを示した。 近年環境問題が再び注目され、将来の自動車社会が電気自動車化することが確実視されるようになった。電気自動車に着目した本研究は環境問題を解決するだけではなく、電気モータの利点をメカニカルシステムに取り入れることで自動車の新しい付加価値を生むことが可能となった。本研究は将来の電気自動車普及の一翼を担うと考えている。 今年度の研究実績は、以下の2点である。大電流での充放電可能という利点を持つ電気二重層キャパシタを蓄電装置として電気自動車に搭載し、実験をスムースに行うことができる車両システムを構築したこと。そしてこの車両を用いて電気モータの利点を生かした車両運動の安定化について検証したことである。電気モータの利点とは4つにまとめると、1.トルク応答がエンジンよりも2桁速い(スリップ1スキッド抑制制御)、2.正確な出力トルクが把握できる(路面状態推定)、3.小型のため各輪に分散配置できる(高性能な車両運動制御)、4.回転方向に区別なくトルク出力ができる(高性能ブレーキシステム)、である。 具体的には、後両輪に配置されたインホイールモータによる駆動力差によってヨーモーメントを発生させ、ロール運動安定化制御の実験を行った。本研究ではさらに外乱オブザーバをベースとした二自由度(目標値追従性及び外乱抑圧性)制御手法を取り入れた。ステアリング操舵と車速から計算されるロールレート目標値への追従性と、車両から見て横方向から入力される外乱(横風や路面バンク)による影響を抑制することができることを実験によって示した。またロール制御を行うためにロール角オブザーバを提案し、センサを単純に積分する過程で発生するノイズを取り除くことが可能であることを示した。
|
Research Products
(3 results)