2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J01862
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
加藤 孝臣 Sophia University, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 理論言語学 / 統語論 / 生成文法 / 日本語 / 英語 |
Research Abstract |
1.前年に米国ハーバード大学に提出した自身の博士論文の改訂を行い、出版社に査読に出した(現在はその査読の結果を待っている状態である)。この中では、主に以下の2点を主張している。 (1)等位構造制約は移動に対する制約や音韻表示に対する制約ではなく、論理形式に対する制約である。 (2)日本語のかき混ぜ操作は完全再構築を受けることができない。 2.2005年に研究発表をしたSounds of Silenceという学会の会報に掲載予定の論文の最終版を完成させて出版社に提出した。この中では、日本語のWH疑問文には空演算子の移動が関与しているという分析を支持する議論を展開している。 3.左枝条件に関する研究を進め、その成果を学会等(Seoul International Conference on Generative Grammar、東京大学英語学研究会)で発表した。この研究では、日本語において名詞修飾語句が現れることのできる文中の位置を検討することで、左枝条件を音韻表示制約とする立場を支持する議論を行った。 4.佐野哲也教授(明治学院大学)、島田博行氏(東京大学大学院)とnegative concord/polarityの習得に関する共同研究を行った。これにより「言語を習得中の子供は否定によって認可される要素をまず(negative polarity itemではなく)negative concord itemと仮定する」という仮説を支持すると思われる実験結果を得た。この成果を発表するため、今年9月に米国コネチカット大学で行われる学会(Generative Approaches to Language Acquisition North America)に応募した(現在その査読の結果を待っている状態である)。
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Research Products
(3 results)