2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母人工染色体遺伝子導入マウスを用いたゲノム刷り込み確立機構の解析
Project/Area Number |
07J01878
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松崎 仁美 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / ゲノム刷り込み |
Research Abstract |
Igf2/H19遺伝子座の刷り込み発現は、Imprinting Control Region(ICR)における由来する親の性依存的なDNAメチル化(メチル化刷り込み)と、DNAメチル化に結合感受性のあるCTCF転写因子のICRへの結合により制御される。以前、我々は、H19ICR DNA断片のみをヒトβ-globin遺伝子座に移植した酵母人工染色体(YAC)の遺伝子導入マウス(TgM)を作製し、通常はゲノム刷り込みを受けないβ-globin遺伝子座において、ICRの挿入のみでゲノム刷り込みが再現されることを明らかにした。加えて、導入ICRのメチル化刷り込みは、精子生殖細胞中ではなく受精後に確立される可能性を見出した。 平成19年度は、上記YAC TgMで見出された「受精後メチル化刷り込みの確立・維持」過程におけるCTCFの役割を検証するために、a)CTCF結合配列変異型ICR(4xMut;CTCFは常にICRに結合できない)、b)CTCF結合配列内CpGモチーフ変異型ICR(-9CG;CTCFは常にICRに結合できる)をそれぞれYAC上でβ-globin遺伝子座に挿入後、YAC TgMを作製した。両TgMの生殖細胞、体細胞よりゲノムDNAを抽出し、変異型ICRのメチル化状態について解析した。その結果、CTCFは、導入ICRの「受精後メチル化刷り込みの確立・維持」過程において、メチル化の阻害に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)