2009 Fiscal Year Annual Research Report
酵母人工染色体遺伝子導入マウスを用いたゲノム刷り込み確立の解析
Project/Area Number |
07J01878
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松崎 仁美 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子導入マウス / ゲノム刷り込み |
Research Abstract |
ゲノム刷り込みを受けるIgf2/H19遺伝子座において刷り込み発現を規定する制御領域H19 ICRは、ゲノムの由来する親の性依存的なDNAメチル化(刷り込みメチル化)によって活性が制御される。本研究では、H19 ICRの刷り込みメチル化がいかにして確立・維持されるのか、そのメカニズムを解明することを目的として遺伝子導入マウス(TgM)を用いた以下の解析を行った。 1.H19 ICR DNA断片のみを用いて複数系統のTgMを作製し、H19 ICRの機能の自律性を検証した結果、体細胞において導入ICRの刷り込みメチル化が再現されたことから、用いたH19 ICR DNA領域内にメチル化を指令する十分な情報が存在することが明らかになった。また、体細胞における導入ICRの刷り込みメチル化は、精子におけるDNAメチル化状態非依存的に受精後に確立しうること、精子における導入ICRのメチル化にはICR外の配列も関与している可能性があること、が明らかになった。 2.CTCF結合配列を欠損させた変異型H19 ICRを酵母人工染色体上でヒトβ-globin遺伝子座に挿入し、これを用いてTgMを作製した。同TgMにおいて、着床前胚では変異型導入ICRの刷り込みメチル化が認められたが、着床後胚及び成熟個体の体細胞では導入ICRが由来する親の性に関わらず高度にメチル化されていた。この結果から、CTCF結合配列は、導入ICRにおける受精後刷り込みメチル化の「確立」には必須ではないが、その後の母由来ICRの非メチル化状態の「維持」に重要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)