2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノアクチュエータとして機能するタンパク質モータプレスチンの駆動機構の解明
Project/Area Number |
07J01898
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊野 峻 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プレスチン / 変異体解析 / パッチクランプ法 / ウェスタンブロッティング |
Research Abstract |
2008年度は,まずプレスチンの変異体解析を2007年度より継続して行った.2007年度にプレスチンのM225に変異を導入すると,プレスチンのイオン輸送能が上昇することを示した.プレスチンはイオン輸送能と共に,細胞を伸縮させる機能を有する.そこで,変異によりプレスチンの細胞伸縮能も増加しているかどうかをアメリカのCreighton大学のHe教授と共同で研究した.その結果,M225に変異を加えると,プレスチンの細胞伸縮能も上昇していることが明らかになった.プレスチンの機能上昇のメカニズムを調べるため,変異によりプレスチンの細胞内での局在及び存在量が変化しているかどうかを免疫染色法及びウェスタンプロッティング法でそれぞれ調べた.その結果,それらの特性は変異によって有意に変化しないことが示された.以上の結果から推察すると,M225に変異を加えると,プレスチンの細胞内での局在及び存在量は変化しないが,プレスチン分子総量における活性のあるプレスチン分子の割合が増加したことが考えられる. 2008年度はプレスチンの変異体解析だけでなく,細胞から抽出精製したプレスチンを人工脂質膜に挿入し,その構造を可視化することを試みた.まず,現有するプレスチン安定発現細胞株から,プレスチンを界面活性剤及び抗体を利用して抽出精製した.また,人工脂質膜を雲母基板上に自己組織化能を利用し作製した.作製した脂質膜を界面活性剤で弱らせ,そこに精製プレスチンを加えることで,プレスチンを脂質膜に挿入することを試みた.脂質膜を原子間力顕微鏡で観察したが,プレスチンを発見することはできなかった.今後,プレスチンを脂質膜に挿入する条件の検討を行っていく.
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Research Products
(5 results)