2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の音声情報処理の発達と言語獲得:事象関連電立による研究
Project/Area Number |
07J01902
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
工藤 紀子 Kobe University, 人文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 乳児 / 事象関連電位 / 言葉発達 |
Research Abstract |
乳児は、生後およそ10ケ月〜1歳頃の間に初語が出現すると、少しずつ発話する語彙の数を増やしていく。しかしそのまま順調に語彙数が増えるわけではなく、しばらくは大きな変化はなく、やがて1歳半頃になると突然爆発的に語彙数が増えはじめる。これを語彙爆発という。申請者は、この語彙爆発にアクセントが関与し、この時期の前後でアクセントの役割が異なるのではないかと考えた。すなわち初語が出現するまで(およそ10ケ月齢前後)は、まず、発話を単語のまとまりごとに区切るためにアクセントを手がかりとして用いるが、語彙爆発の時期る1歳半頃には、アクセントの種類やアクセントの対立を手がかりに用いて、単語を区別するようになるのではないだろうか。本研究の目的は、(1)乳児は発話を単語のまとまりごとに分節化するために、どのような言語特徴を利用しているのか、(2)乳児が語彙数を増やす過程で、アクセントはどのような役割を果たしているのか、を明らかにすることである。 まず今年度は、初語以前から語彙爆発の時期において実際にアクセントがどのように現れ、語彙爆発の時期までにどのように変化するのかを観察するために、乳児の発する音声を8ケ月齢時から2週間ごとに継続して録音した。現在被験者はまだ語彙爆発の時期に至らず、今後も継続して観察を行い、この結果について解析を行う。 また次年度に、6ケ月齢〜1歳の乳児を対象に事象関連電位を用いて、連続する音声からアクセントを手がかりに語のまとまりを切り出すことができるかを検討するため、刺激作成等、実験の準備を行った。
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