2007 Fiscal Year Annual Research Report
歩行補助のための動的安定性を有する移動体のモデル化と評価システム
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07J01923
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松下 光次郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歩行補助 / 身体性 / 動的安定移動 |
Research Abstract |
歩行補助のための動的安定性を有する移動体のモデル化と評価システムを実現するため、本年度に取り組んだ内容は、これまでの研究成果を投稿論文としてまとめ、これからの課題との整合性を明確にするものであった。また同時にアプリケーションとなる歩行補助装置を開発し、次年度の研究基盤を確立するものであった。以下にその内容を示す。 (1)動的安定性を有する脚移動モデル設計法の構築 動的安定性を有する脚移動モデル設計のため、適切な『身体的特徴(機構・素材特性)』がシステムに要求される制御量・駆動力を軽減するという身体性人工知能の概念に着目した。すなわち、本研究においては動的特性を実現する身体的特徴を有し、かつ、安定な脚移動を達成するモデルの設計を目指した。提案する設計法は進化的計算手法に基づき、脚移動モデルの身体系と制御系を同時探索し、単位移動速度あたりのエネルギ消費量が少ないモデルを最良個体とするものであった。その結果として、モータ1個で2脚・4脚における動的安定移動を可能とするモデルを獲得し、実機においても同様な移動機能を確認した。 (2)歩行困難者個々特有の運動感覚系の表現系 動的安定移動体の評価するにあたり、まず移動特性の表現系の構築が重要な課題となる、そこで複数種類のセンサデータにより移動状態を計測し、それらデータを主成分分析し、第1〜3主成分値を三次元表現する特徴抽出法(各主成分は各軸に対応)を提案した。この表現形により個々の移動特性が幾何学的に示されることを確認した。 (3)歩行補助装置の開発 歩行困難者によって異なる麻痺部に対応する補助装置を目標として、ワイヤ牽引型モジュラー装置を開発した。ワイヤ牽引型により、自由な取り付け位置を設定することができ、様々な症例に対応することが可能となった。また、モジュラー装置の性能は牽引力40[N]・牽引速度0.1[m/s]と、筋力補助に対して充分な牽引力・牽引速度を有する。 次年度は、歩行困難者個々特有な感覚運動系に適応可能な歩行補助制御を提案・構築し、歩行補助装置による検証を行なう。また、それら成果を投稿論文としてまとめることにある。
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Research Products
(2 results)