2007 Fiscal Year Annual Research Report
大量ゲノム情報のデータプロファイリングによるRNA制御ネットワークの再構築
Project/Area Number |
07J01924
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷内江 望 Keio University, 大学院・政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 系統プロファイリング / noncoding RNA(ncRNA) / microRNA(miRNA) / RNA二次構造 / 質量分析 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゲノム情報など、近年大量に蓄積されつつある生物学データをとりあつかい、RNAをはじめとした生体内のさまざまな制御ネットワークを予測・再構築し、明らかにしていくことである。はじめに、大量ゲノム情報をもちいて、系統プロファイルを行うことによって生体ネットワークを予測するシステムを開発し、完成させた。対象となる生物種の情報と、系統プロファイルをおこなう上で比較対象となる生物種のゲノム情報を取得し、対象生物に存在するすべてのタンパク質、RNA分子の系統プロファイルを総当たりで評価する過程を全自動化し、情報学的な解析結果をすばやく検討しフィードバックしながら妥当な情報を得るための基盤技術を構築した。また膨大な計算量を必要とするため、本システムには計算機の並列化技術(グリッドコンピューティング)を導入した。また、既知のタンパク質間相互作用などの生物学実験によるデータをもちいて最適な計算パラメータの決定およびそこから妥当なネットワークを得られることを示した。既知のタンパク質間相互作用情報や、KEGGなどの代謝パスウェイ情報をもちいて、タンパク質間の機能関係について妥当なものが得られるかを検討した。同じ手法とレイヤーの上にあるタンパク質の機能関係が妥当であることを示しつつ、RNA-タンパク質間のそれについても有効であることを示唆し、大腸菌で数十例知られているRNA-タンパク質間相互作用について検討した。以上より、生物学実験系における同定が困難とされる生体内分子間相互作用を情報学的に予測する計算基盤を開発した。また、miRNAによるRNA制御ネットワーク予測のために、miRNAがmRNAを制御する際のRNA二次構造の特徴解析をおこない、キナーゼネットワーク予測のために、近年質量分析機により得られた大量のタンパク質リン酸か情報をもちいて、リン酸化サイトの特徴解析をおこなった。
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Research Products
(2 results)