2008 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジア紀元前1千年紀像の再編成と弥生文化の形成に関する新パラダイム構築
Project/Area Number |
07J01973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄田 慎矢 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 弥生時代 / 東北アジア / 紀元前14年紀 / 考古学 / 韓国 / 土器付着物 / 調理形態 / 金属器 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、大陸側からの視点によって弥生時代の始まりをとらえようとした。博士論文をもとにした単著を出版するとともに、研究の根幹となる編年についての論文を完成させ、韓国における緊急調査の現状に関する論説も発表した。これにより、筆者の業績を含めた韓国考古学の成果を日本のみならず英語圏にも発信した。また、数多くの国際学会で研究発表を行い、これまでの筆者の研究成果を広くアピールするとともに、農耕や金属器の受容といった人類史における重要なトピックに関し、世界各地の研究状況との比較による相対化を行った。金属器の受容に関しては、ロシア・韓国の研究者に呼びかけて三ヵ国合同の調査研究を主導し、広く東北アジア地域の視点から研究を進めた。その結果、各地域での違いとともに、大きな共通性も見えてきた。また、考古学のみならず人類学者や植物学者との共同研究を進め、学際的視点からの過去の復元にも取り組んだ。特に土器付着物についての研究方法の開発を進め、考古学のもっとも基本的な資料から食性という重要な問題にアプローチできる見通しを得た。また食性についての通時的な視点を得るため、朝鮮半島における調理形態の通時的俯瞰による伝統的調理形態の展開過程を韓国の多数の研究者との共同作業によってまとめ、これを中国で開催された国際学会で発表したが、筆者らによる新しい視点は中国の研究者からも大いに注目を得ることができた。以上のように、今年度は総じて最終年度に向けての新しい試みを展開した。
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Research Products
(11 results)