2008 Fiscal Year Annual Research Report
広域分散計算機環境における並列アプリケーションの適応的な支援
Project/Area Number |
07J02007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 秀雄 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 並列計算 / 分散処理 / 広域環境 / グリッド / 接続管理 / MPI / ソケット / クラスタ |
Research Abstract |
昨年度、グリッド環境において高性能な通信をスケーラブルに実現する接続管理手法を提案した。また、その接続管理手法を用いて、並列計算でよく用いられるAPIであるMessage Passing Interface(MPI)[1]のライブラリであるMulti-Cluster MPI(MC-MPI)[2]を実装した。今年度は、提案手法をMPIからSocket APIに拡張したScalable Sockets(SSOCK)というライブラリを実装しだ。MPIではなくSocket APIを提供することによって、MPIアプリケーションに限らず、様々な並列アプリケーションをグリッド環境で高速且つスケーラブルに実行できるようになった。 SSOCKの評価は、国内の様々な大学や研究機関のクラスタを同時に用いて行った。13拠点にまたがる1,262コアを用いて各コアでプロセスを起動した場合、既存の通信ライブラリを用いてプロセスを全対全で接続しようとするとファイルディスクリプタなどの資源を使い切ってしまうという問題があったが、SSOCKを用いた場合は資源の制限に触れることはなかった。また、SSOCKの通信性能は、1対1通信では既存の通信ライブラリと同等であり、集合通信では既存の通信ライブラリより高かった。 成果の発表は、国内の研究会であるSWoPP 2008[3]及び国際学会であるGrid 2008[4]で行った。 [1]http://www.mpi-forum.org/ [2]http://www.logos.ic.i.u-tokyo.ac.jp/~h_saito/mcmpi/ [3]斎藤秀雄,田浦健次朗.広域計算環境用のスケーラブルな高性能通信ライブラリ.情報処理学会研究報告HPC-116(SWoPP 2008),pp.181-186,佐賀,2008年8月. [4] Hideo Saito, Ken Hironaka and Kenjiro Taura. A Scalable High-performance Communication Library for Wide-area Environments. In Proceedings of the 9th IEEE/ACM International Conference on Grid Computing (Grid 2008), pp. 310-315, Tsukuba, September 2008.
|