2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02011
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 慶太郎 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 宇宙磁場 / 宇宙論的摂動論 / ガンマ線バースト / 宇宙背景放射 / 重力波 |
Research Abstract |
宇宙磁場の解析における基礎となる宇宙論的摂動論の応用として密度揺らぎからの重力波生成の研究を行った。これは磁場生成と同様に宇宙論的摂動の2次の効果によるものであり、異なるタイプの摂動が混合する現象である。インフレーション理論によって予言されるスケール不変のスカラー型の密度揺らぎから生成されるテンソル型重力波のスペクトルを求め、その生成の物理的機構を理解し、さらに観測可能性についても議論した。続いて宇宙磁場の観測についての研究も行った。初期宇宙の揺らぎから生成される磁場は非常に微弱なものであり、現存の測定方法では不可能である。そこでガンマ線バーストや活動銀河核などの高エネルギー天体を利用した新しい磁場観測の方法を研究した。GLASTやCTAなどの観測機器によって近い将来ガンマ線の観測には大きな進歩がみられると期待されているが、この方法はそのようなガンマ線観測を大いに利用するものである。宇宙空間に微弱な磁場が存在することによって高エネルギー天体からどのように遅延ガンマ線が到来するかについて解析する基本的定式化を行った。さらに遅延ガンマ線を観測することによって宇宙空間の磁場についてどのような情報が得られるかを系統的に議論した。
|