2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本ゲイコミュニティの社会学:セクシュアリティと「文化」の関係をめぐって
Project/Area Number |
07J02016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森山 至貴 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲイコミュニティ / カミングアウト / クィア / 教育学 / 語り |
Research Abstract |
まず、ゲイ男性のコミュニティの歴史性をひもとく作業を行った。「ゲイ男性のつながりを「歴史化」する」(クィア学会第2回年次大会、口頭発表、2009年10月)で大正時代に遡り男性同性愛者概念の成立時のコミュニティの様相を描き出した。その後、カミングアウトという要素を焦点におきつつ、「アイデンティティとコミュニティの「幸福な」邂逅:「カミングアウト」はゲイコミュニティ論に何をもたらしたか」(第57回関東社会学会、口頭発表、2009年6月)で1990年代から現在におけるコミュニティの様相を考察し、「ゲイアイデンティティとゲイコミュニティの関係性の変遷-カミングアウトに関する語りの分析から-」(『年報社会学論集』(23)、査読中)で論文の形にまとめた。 また、本年度はゲイ男性のコミュニティとその「外部」の関係性について考察した。まず、ゲイ男性について語ろうとする者が陥る語りのパターンの問題点について「動員されるヘテロセクシズム-ゲイコミュニティの外部はいかに語られるか」(日本解放社会学会第24回大会、口頭発表、2009年9月)で考察し、学会でのコメントをふまえて「動員される<外部>-語り/実態の二分法を超えて-」(『解放社会学研究』(24)、査読中)で論文の形にまとめた。また、当のゲイ男性自身がどのように「外部」との関係性を捉えているのかに関して、インタビュー調査の結果をまとめ、「呼称が立ち上げる<わたしたち>-ゲイ・バイセクシュアル男性へのインタビューから」(『社会学評論』査読中)の形にまとめた。 さらに、セクシュアルマイノリティの「文化」とセクシュアリティの関係のよりよいあり方の構想を考察から、大学教育におけるクィア研究と教育学の遭遇の場に、具体的な実践の意義を見いだし、「クィア・ペダゴジーという問題系」(『論叢クィア』(2))の論文の形にまとめた。
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Research Products
(4 results)