2009 Fiscal Year Annual Research Report
Poly(A)結合タンパク質PABPによる翻訳制御機構の解明
Project/Area Number |
07J02032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 駿輔 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 翻訳制御 / mRNA / Poly(A)結合タンバク質 / NMR |
Research Abstract |
前年度までに、poly(A)上に隣接して結合したpoly(A)結合タンパク質PABPが、そのpoly(A)結合領域(RRM1234,残基番号1-370)とリンカー領域(残基番号371-543)を介して分子間相互作用することを示唆する結果を得ていた。 今年度は、両領域の相互作用をより定量的に捉えることを目的として、表面プラズモン共鳴法による相互作用解析を行った。5'末端をビオチン化したpoly(A)をセンサーチップ上に固定化し、RRM1234、リンカーをこの順にインジェクトすることで、poly(A)に結合したRRM1234とリンカーの相互作用の解離定数が150μMであることを明らかとした。RRM1234のインジェクトを行わない場合には顕著な相互作用が検出されなかったことから、リンカーがpoly(A)ではなくpoly(A)上のRRM1234に結合していることも確認された。次に、この相互作用を構造生物学的に解析するため、NMR法による解析を行った。^<15>N標識を施したリンカーにRRM1234-poly(A)複合体を添加して^1H-^<15>N HSQCスペクトルを測定した結果、一部のシグナルが添加前と比較して顕著に強度減少することが明らかとなった。この結果は、これらのシグナルに対応するリンカー中の残基の化学環境が、RM1234-poly(A)複合体との相互作用によって変化したことを示している。今後、シグナルの帰属と常磁性緩和促進効果を用いた解析を通じてpoly(A)-RRM1234-linkerの複合体モデルを構築する。これによって、PABPによるmRNAの翻訳および分解の調節に関する知見が得られると期待される。
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Research Products
(1 results)