2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02034
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金森 晶作 Hokkaido University, 大学院・環境科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 雪氷コア / 氷コア / 氷河 / 密度プロファイル |
Research Abstract |
1雪氷コア解析と観測 アラスカ,ランゲル山で掘削した2003年から2006年にかけて涵養された雪に相当する雪氷コア,延べ20m長について新たに深さ分解能1mmでの高分解能密度測定を行なった。また,これらのコアについて層位を記録した。また,2005年に雪氷コア掘削地で行なった通年の日分解能での気象観測結果から,ランゲル山の主涵養時期は夏季から秋季であること,ランゲル山での涵養イベントはアラスカ湾岸の低地に位置するValdez, Cordovaと同じタイミングで起こることを突き止めた。さらに,低地の測候所の気温データとランゲル山で観測した表面雪温のデータには強い正の相関があることを明らかにした。 2雪氷コアの密度プロファイルの解釈と年代決定 詳細な密度プロファイルと気象観測結果の比較から,過去15年間に相当するランゲル山雪氷コアについて雪氷コアではほとんど例のない月スケールでの年代決定に成功した。 密度の遷移的変動や矩形波状の密度プロファイルは,降雪の堆積中断および削剥によって形成される。また,これらの特徴的な密度プロファイルは,圧密過程を経ても,相対的な密度の遷移として保存される。これらの知見を用いて過去の堆積中断および削剥に相当するイベントを抽出した。また,層位観察から融解層を夏季の温度上昇イベントとして抽出した。ランゲル山での気象観測結果と測候所の観測データの対応関係から堆積中断イベント,温度上昇イベントのタイミングは低地の測候所での降水データ,気温データから推定出来る。この関係を利用し,1991年から2005年に相当するコアについて月スケールの年代軸を挿入することに成功した。
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Research Products
(3 results)