2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春日 淳一 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PPAR / PPARδ / パーシャルアゴニスト / アンタゴニスト / 核内受容体 |
Research Abstract |
核内受容体ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)のリガンド創製研究を行っている。PPARにはα、δ、γの3サブタイプが存在することが判明しており、これまでにPPARα/δデュアルアゴニストTIPP-401、PPARδ選択的アゴニストTIPP-204、PPARパンアゴニストTIPP-703の創製に成功している。本年度は、PPARサブタイプ選択性に関する生物学的研究を行った。 PPARδアゴニストのサブタイプ選択性発現機構解明;PPARα/δデュアルアゴニストTIPP-401とPPARδ選択的アゴニストTIPP-204で化合物の構造上の違いは中央ベンゼン環から伸びるアルキルエーテルがメトキシであるかブトキシであるかの違いのみである。なぜサブタイプ選択性に大きな影響を与えるかが解明されれば今後のPPARサブタイプ選択的リガンド創製に有用な情報となる。アルキルエーテル鎖と相互作用すると示唆されるアミノ酸残基をドッキングモデルから導き、点変異PPARを作成した。それを用いた転写活性化試験により、PPARαのMet325と対応するPPARδのVal334の差がサブタイプ選択性に大きく寄与していることを明らかとした。 その後さらにPPARδアンタゴニスト/パーシャルアゴニストの創製研究を行った。PPAR等の核内受容体の活性化にはc末端のαヘリックスであるH12の適切な折りたたみが必須であることが明らかとなっている。私はPPARδアゴニストの構造中のH12と相互作用するカルボキシル基に注目し、カルボキシル基の位置を変えることでH12の折りたたみを制御できるのではと考えた。H12の折りたたみを完全に阻害できればその化合物はアンタゴニストに、一部阻害できればパーシャルアゴニストとなると考えられる、化合物の構造中に剛直な構造を有するビフェニルを導入し、アッセイしたところパーシャルアゴニスト活性を有する化合物を得ることができた。他のPPARδアゴニストと共存させることでアンタゴニスト活性を示すことも確認した。
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Research Products
(2 results)