2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ加工技術を利用した細胞機能計測・制御デバイスの開発と再生医療への応用
Project/Area Number |
07J02054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 祐三 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | P19胚性腫瘍細胞 / 神経分化 / 胚様体 / 微細加工技術 / 電気刺激 |
Research Abstract |
ES細胞に代表される多能性幹細胞の特定細胞への分化誘導は一般的に胚様体を呼ばれる細胞塊を形成低い(〜30%)ことが重大な問題となっていた。多数の胚様体を形成の際の形態・サイズの不均一による細胞間シグナル伝達の制御の難しさ、薬理操作による分化誘導の精密制御の難しさが主な要因であると考えられる.そこで、本年度の研究では、幹細胞からの神経分化過程の精密制御を行うための刺激デバイスの作成を試みた.具体的にはITO(Indium Tin Oxide;透明電極)基板上に厚型フォトレジストであるSU-8とフォトリソグラフィー技術を用いて均一サイズの胚様体を配置出来る微小構造を構築し、更に底面の電極部から配置した胚様体を一様に電気刺激を行うことを可能にした.昨年度同様、神経分化のモデル細胞として広く用いられているP19胚性腫瘍細胞を実験対象として用いた.三次元培養器を用いて形成した均一のサイズ・形態のP19細胞の胚様体を作成した刺激デバイスにより電気刺激を行った.Caイメージングにより細胞活動の可視化を行った結果、微小構造を有した電気刺激デバイスを用いることで均一サイズ・形態の胚様体を多数、同時に刺激することが可能であることが示された.胚様体の形態・サイズ制御による細胞分化の内因性要素の制御、多数の胚様体を一様に電気刺激することによる細胞分化の外因性要素の制御を組み合わせることで、細胞分化の精密制御に向けて有用なツールを作成できたと考えている.今後は作成したデバイスを用いて胚様体を電気刺激した際の、分化関連遺伝子の発現変化を追跡することで,工学技術による細胞分化制御の可能性を更に追求する予定である.
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