2008 Fiscal Year Annual Research Report
加速器ニュートリノビームを使った反ニュートリノ反応断面積の精密測定
Project/Area Number |
07J02077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 康博 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニュートリノ / 反ニュートリノ / 反応断面積 / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
2008年度前半は、2007年度より引き続き米国フェルミ研ブースターニュートリノビームラインにおいてニュートリノビームを用いたデータ収集を行った。この結果2008年8月に目標を上まわる陽子数を達成し、測定を終了した。これまでに取得したニュートリノモードで1E20POT(protons on target)、反ニュートリノモードで1.5E20POTである。私はこの間フェルミ研に滞在し、測定器の運転および調整に従事した。測定終了後は、フェルミ研に滞在している共同研究者と協力し、ニュートリノ反応の測定を行なった。 私の測定の最終目的は反ニュートリノ反応の測定であるが、反ニュートリノモードで取得したデータには約30%ニュートリノによる反応が含まれており、これが背景事象となる。したがって、ニュートリノ反応およびフラックスを正確に理解することが、反ニュートリノ反応の測定に不可欠である。このため、私はニュートリノモードで得られたデータを用い、ニュートリノ荷電カレント反応の測定および、それを用いたニュートリノフラックスの測定を行なった。その結果、SciBooNE測定器におけるニュートリノフラックスを数%の精度で決定することに成功した。 また、ニュートリノ荷電カレント反応の理解のため、ニュートリノ反応のシミュレーションの調整を、行った。これらの成果を国内外の学会において発表した。 このニュートリノ反応の解析で用いた手法はおよびシミューレーションは、ただちに反ニュートリノのデータに滴用可能であり、以後はこれを用い反ニュートリノ反応の測定へと移る。
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Research Products
(6 results)