2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜分離活性汚泥法の長期安定運転を可能とするための膜閉塞機構の解明
Project/Area Number |
07J02079
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三好 太郎 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 膜閉塞成分 / レクチン / SDS-PAGE |
Research Abstract |
本年度は、膜閉塞に関与している有機物の特性解析を詳細に行った。我々の以前の研究で、膜を閉塞させている成分中では糖及び蛋白質が主要な構成成分となっていることが明らかとなっていたことから、本年度は具体的にどのような糖及び蛋白質が膜の閉塞に関与していたのかという点に関して検討を行った。糖については、レクチンアフィニティークロマトグラフィーを適用した。レクチンは、特定の構造を有する糖を認識し、結合することのできる蛋白質の総称であり、レクチンを用いたアフィニティークロマトグラフィーによってある特定の糖のみを溶液中から選択的に除去することが可能となる。レクチンアフィニティークロマトグラフィーをMBR槽内汚泥に適用することによって、MBE槽内汚泥中に含まれる糖の種類が異なることによって膜の詰まらせやすさが異なっていたことが明らかとなった。蛋白質解析については、古くから行われているSDS-PAGEという手法があるが、本手法は活性汚泥中の溶解性蛋白質及び膜の閉塞に関与していた蛋白質に適用された事例はない。本研究では、これらの蛋白質のSDS-PAGEによる分析を試みた結果として、我々が知る限り世界で初めてこれらの蛋白質のSDS-PAGEによる分析に成功した。本年度得られた知見をもとに、膜の閉塞に大きく寄与している糖及び蛋白質の特性を明らかにすることによって、本研究の目的である膜閉塞機構の解明に大きく近づくと同時に、膜の閉塞を抑制するための対策の立案に大きく寄与できるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)