2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜分離活性汚泥法の長期安定運転を可能とするための膜閉塞機構の解明
Project/Area Number |
07J02079
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三好 太郎 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 膜閉塞 / 膜閉塞成分の特性 / レクチンアフィニティークロマトグラフィー / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
本年度は、膜ファウリングに関与している糖及びタンパク質の特性解析を行った。糖については、レクチンアフィニティークロマトグラフィーを適用した。前年度の実験において、本手法を用いることでMBRの活性汚泥懸濁液中に含まれる一部の糖のファウリングポテンシャルを評価出来ることを明らかにしたが、本年度は様々な条件における糖のファウリングポテンシャルの差異について検討を行った。本検討を水温の異なる時期に行った結果、季節が異なることによってファウリングポテンシャルの高い糖の種類が異なっていたことが明らかとなった。また、本検討を材質の異なる複数の膜を用いて行った結果、膜の種類によってろ過抵抗の低減に効果的なレクチンの種類が異なっており、糖のファウリングポテンシャルの大小には糖自身の特性だけではなく、適用する膜の特性も大きく影響していたことが明らかとなった。タンパク質についてはプロテオーム解析を適用した。プロテオーム解析とは、検討対象に含まれているタンパク質の全体像を解析するものであり、SDS-PAGEや2次元-PAGEを用いてタンパク質分離し、主要なものを同定するといった手順で進められる。このような手法を用いて膜閉塞に関与している主要なタンパク質を同定することができれば、膜閉塞発生機構に対する理解が深まるものと考えられる。本年度は、膜閉塞に関与しているタンパク質に本解析を適用する際の前処理手法について検討を行い、このようなサンプルに含まれているタンパク質についても良好に分離することができる前処理法を確立した。また、本前処理手法を適用した結果、実際のMBRにおいて膜ファウリングに関与していたタンパク質のアミノ酸配列の解析に世界で初めて成功した。本研究で確立した手法を用いて、膜閉塞に関与していたタンパク質の詳細な特性について検討を行っていくことが可能となると考えられる。
|
Research Products
(11 results)