2009 Fiscal Year Annual Research Report
変動環境下における炭-微生物関係を利用した緑化技術の高度化に関する研究
Project/Area Number |
07J02105
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 真 Hokkaido University, 大学院・農学院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 緑化 / 炭 / 山火事跡地 / 土壌養分 / 樹木生理生態 |
Research Abstract |
木材生産を目的とした樹木の伐採や山火事など人間活動に起因した環境変動による森林面積の減少が世界的に問題となっている。 本研究では、そのような問題の解決策として、植林による森林再生技術の高度化を目指し、植栽樹木の成長を効果的に促進する炭(バイオ炭)の作成方法や実際に緑化を行う野外の荒廃地における効果の有意性について検証を行った。本研究の結果より、低温(400℃)で作成した炭は、土壌中の含有量の増加とともに樹木の成長への正の影響が顕著になった一方で、高温(800℃)で作成した場合は、大量に混ぜても(体積比で土壌:炭=1:1)実生への正の効果は見られなかった。低温で作成した炭は樹木のリンの利用可能量を促進する効果があることが、実生の成長を促進する効果が見られた理由として考えられた。 また、山火事跡地のような、実際に緑化を行う対象である野外の荒廃地において、低温で生成された炭が実生の成長・生残へ正の効果を持ちうることが実証された。 これらの知見は、変動環境下において、環境に付加の小さい木質由来の炭の中でも、特に低温で生成したものを用いた緑化が有効であることを示すものである。
|
Research Products
(11 results)