2007 Fiscal Year Annual Research Report
消滅の危機に瀕する琉球諸方言のアクセント体系に関する実証的・理論的研究
Project/Area Number |
07J02126
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 晋史 Kobe University, 文化学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 琉球方言 / アクセント / 沖縄本島 |
Research Abstract |
主にフィールドワークによって琉球(諸)方言のアクセントデータの収集と分析に向けてのデータ整理を行った。 2007年9月から2008年1月にかけて沖縄本島北部の今帰仁村でそれぞれ一週間から10日ほどの期間にわたるフィールドワークを3度行った。今帰仁村での第1回目のフィールドワークでは知り合いなどのつてが一切なかったことに加え、伝統的な方言を話すことができる話者が当初考えていたよりもはるかに少なくなっていることがわかり、あらかじめ考えていたよりもデータ集めに困難なところがあった。しかし、幸いにしてインフォーマントとして適切と考えられる話者も見つかり、地元の人との繋がりもできたため2回目のフィールドワークからはより多くの音声データを集めることが可能となってきた。もっとも、消滅の危機に瀕している伝統的方言の話者は最低でも70代の後半の高齢であるため、一度に大量のデータを集めるということは現実的に難しく、フィールドワークの回数を重なることで少しずつ着実に記述データを集めていく方針である。 今帰仁方言と平行して、大宜見村の津波集落で話される方言の記述も行っている。今帰仁村と大宜見村はともに沖縄県北部に位置しており、ともに名護市に隣接している。湾をはさんで互いの村から相手の村が見える距離である。この方言については大宜見村の出身で大阪府在住の話者をインフォーマントとして聞き取り調査を行っている。昨年末から現在までにおよそ1月に1度のペースで計5回の調査を行っており、名詞を中心としてアクセントの音声データを集めた。今後は形容詞、動詞とデータの幅を広げ、数か月のうちに調査結果をまとめて学術雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)