2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市空間を生み出す構造の変動と都市計画をめぐる知識・権力の再編に関する研究
Project/Area Number |
07J02133
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
植田 剛史 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 都市計画 / 都市空間 / 都市社会学 / 科学技術 / 専門知識 / 専門職 / 市民参加 / 権力 |
Research Abstract |
08年度は、都市計画への「参加」手続導入をふまえ、都市空間における諸アクター間の既存の力関係の変革可能性と専門知識・技術との関係に着目し、以下3点の研究をした。 1)2000年代東京の都市空間再編と都市空間利用の実態に関する研究。日本学術振興会科学研究費・基盤研究(B)「市民エージェントの構想する新しい都市のかたち」(研究代表者:町村敬志)による「首都圏の市民活動団体に関する調査」データを用い、市民社会組織の空間利用をGISでマッピング、加えて都内の超高層建築物データ・住宅地図より空間再編の実態を調べた。結果、2000年代東京の空間再編の特徴は密集市街地再開発に顕著なこと、こうした空間再編下でも駅頭・大学・公園・集会施設が自由な利用に開かれた空間として重要拠点であると分かった。成果はISA-RC21 International Conferenceで共同報告し、研究成果報告書にまとめた。2)専門知識・技術の配分と都市空間に関わる諸アクターの影響力との関係の研究。「首都圏の市民活動団体に関する調査」データから専門知識・技術の運用可能性と市民社会組織の影響力ポテンシャルとの関係を検証した。結果、専門知識・技術は経済資本と異なる論理で配分され、活動内容の多様さを規定することが分かった。成果は研究成果報告書にまとめた。3)都市計画への「参加」制度の導入に対応した専門知識・技術・業務領域再編に関する研究。STSや住民運動研究の理論を参照しつつ、専門家団体へのヒアリング・資料収集・日本都市計画学会の「プランナー調査」(2007年)データの二次分析等を実施した。結果、「参加」制度による新たな業務の発生は専門家にとって自らの専門性を揺るがす事態と認識されており、専門知識・技術の配分格差を是正する制度構築を考察する視点も必要であるとわかった。成果は日本社会学会で報告した。
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Research Products
(6 results)