2007 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀末アルゼンチンにおける「国民」の創出と音楽
Project/Area Number |
07J02141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 美都子 Osaka University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルゼンチン / ガウチョ / クリオージョ・サーカス / ナショナリズム / アイデンティティー / 音楽学 / コンフリクト / グローバリゼーション |
Research Abstract |
平成19年度、本研究の目的は、19世紀末から20世紀初頭アルゼンチンにおける、音楽と国民アイデンティティの創造の関係を明らかにすること、同時に当該研究をめぐる、アルゼンチンとアメリカ合衆国の研究者間のポリティクスを読み解くなかで、本研究の位置づけをすることであった。調査内容は、以下に示した国内・外(アメリカ合衆国、アルゼンチン共和国)における文献・資料調査とフィールド・ワークに基づく。 1.2007年6月10-12日 東京(東京大学・上智大学) 2.2007年6月19-7月22日 アメリカ合衆国 1)カンザス州立大学、2)マイアミ大学 ラテン・アメリカ・センター、図書館における資料収集、アルゼンチン音楽研究者のシュヴァルツ=ケイツ(Deborah Schwartz-Kates)博士との対談 3.2007年12月14日-2008年1月14日 アルゼンチン共和国 1)ブエノス・アイレス 国立図書館、国会図書館、セルバンテス劇場付属図書館におけるアーカイヴ調査・資料収集現地インフォーマントに対するインタビュー 2)コルドバ ヘスス・マリア音楽祭、ナショナル・マランボ・フェスティバルにおけるフィールド・ワーク 本調査により、アルゼンチンにおける音楽によるアイデンティティーは、19世紀末に端を発しつつ、現在にいたるまで国際的なアカデミックの潮流と密接に関わりながら、交渉され、その都度、修正を繰り返しながら形成されてきていることを、具体的に明らかにすることガできた。具体体的な成果は、2008年2月から3月にかけて、アメリカ合衆国において行われた音楽学学会における3度の発表と2008年に大阪大学文学部より出版された『待兼山論叢』第41号において掲載された論文である。とりわけ、前者においては発表後、他研究者と議論を通して、日本における本研究の国際的意義を証明するものとなった。
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Research Products
(4 results)