2008 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の古典的浸透圧調節ホルモンの消化管機能分化における作用への新たなアプローチ
Project/Area Number |
07J02156
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 英也 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 消化管 / 浸透圧調節 / 副腎皮質ホルモン / アポトーシス / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究は、魚類の浸透圧調節ホルモン、特に最近ミネラルコルチコイドの存在が示唆された副腎皮質ホルモンの作用を世界に先がけアップデートすることを目的としている。これまでに、魚類の浸透圧調節器官の一つである食道は、淡水中ではコルチゾルがグルココルチコイド受容体(GR)を介して高濃度で上皮の細胞増殖を直接誘導し多層上皮となるが、海水順応時にはコルチゾルが低濃度で直接アポトーシスを誘導し単層上皮となることを明らかにしつつある。これには、コルチゾル濃度依存的なGRの標的遺伝子が関与していることが考えられる。 そこで、メダカのオリゴヌクレオチドアレイによりコルチゾル-GRの標的遺伝子の探索を行った。11,000種の分子のうち、10、1000nMのコルチゾルで発現が大きく変化する興味深い分子を絞り込み、Real-time PCRによりその再現性を検討した。その結果、2種類の低濃度のみに応答する分子、7種類の高濃度に特異的なものなどを見出している。低濃度の標的となる分子では、上皮の透過性の上昇に関わると思われるギャップジャンクション構成タンパクのclaudin等が同定された。高濃度の標的分子には、多層上皮への関与が考えられる上皮細胞増殖因子など細胞増殖に関わる分子があった。その他、ATP結合カセットトランスポーターといった輸送関連分子や、熱ショックタンパクなどのストレス応答に関わるものも同定された。既知の分子と相同性のないものもあった。 以上から、コルチゾルが浸透圧調節器官のGRに作用し、その濃度に依存した標的分子やアポトーシス/細胞増殖を介して、海水・淡水の双方向の適応に寄与することがわかった。
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Research Products
(7 results)