2008 Fiscal Year Annual Research Report
アドホックネットワークにおけるデータ利用性向上のための複製管理に関する研究
Project/Area Number |
07J02204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 昌子 Osaka University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アドホックネットワーク / 消費電力 / データアクセス / 複製配置 / マルチキャスト |
Research Abstract |
本研究課題では,データの利用性を向上させることを目的として,アドホックネットワークにおける消費電力を考慮した複製管理に関する研究を推進した. まず,データの利用性を損なわず,データ転送に要するトラヒックの削減により移動体の生存時間を長くすることを目的として,マルチキャストを用いたデータ転送方式を提案した.提案方式では,各移動体が,データの取得時間のデッドラインを設定して,データを要求している環境を想定する.一方,要求されたデータをもつ移動体は,複数の移動体からのデータ要求を一旦保留しておき,後からマルチキャストを用いてまとめて転送する. 提案したデータ転送方式の有効性を,ネットワークシミュレータQualNetを用いたシミュレーション実験により詳細に検証した.結果より,提案方式は,マルチキャストを用いてデータをまとめて転送することで,即座にデータをユニキャストで転送する場合と比較して,トラヒックを約半分に削減することを確認した.また提案方式では,転送されるパケット数が減少することで,電波干渉により損失するパケット数も減少し,データの利用性が向上することを確認した. さらに,移動体がデータの複製を配置する環境では,オリジナルのデータをもつ移動体だけでなく,複製をもつ移動体も要求されたデータを転送することで,移動体の生存時間をさらに長くしつつ,データの利用性も向上できると考えられる.そこで上記で提案したデータ転送方式を,これまでに提案した複製配置方法と併用するための要件や併用した場合の問題点を洗い出した,実現のために検討すべき課題について詳細に検討した.
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Research Products
(2 results)