2008 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性TRPチャネルの種間比較に基づく温度センサードメインの決定
Project/Area Number |
07J02228
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
曽我部 隆彰 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特任助教
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Keywords | ショウジョウバエ / TRPチャネル / 温度受容 / 侵害熱刺激 / カルシウムイオン / 電気生理学 / ミツバチ |
Research Abstract |
ショウジョウバエTRPチャネルPainlessに温度応答性があることを見出したことから、このチャネルの温度感受性と電気生理学的特性を詳細に解析し、Painlessが熱応答性のチャネルであることや、細胞内外のCa^<2+>によって多様な活性制御を受けることを明らかにした。さらに、Painlessの熱活性化電流が防虫剤によって抑制されることを見出した。これらの成果を米国神経科学学会誌(Journal of Neuroscience)に投稿した後、レビュワーから要求のあった活性化温度閾値の膜電位および刺激速度依存性、熱刺激における単一チャネル電流測定、細胞内Ca^<2+>結合領域変異体の追加解析などの追加実験を行い再投稿した結果、採択されVol.28,No.40,Page9929-9938に掲載された。また、主にショウジョウバエの温度受容とTRPチャネルに主眼に置いた総説を執筆・投稿し、Communicative&Integrative Biology誌に発表した。さらに、上記と並行してミツバチの新規TRPチャネルの機能スクリーニングを行ったところ、ショウジョウバエにはないミツバチ固有のTRPAサブタイプの一つに陽性反応を見出した。熱負荷にともなってミツバチTRP発現細胞の細胞内Ca^<2+>濃度は上昇し、一過性の熱電流が観察された。およその活性化温度閾値が25-30℃であること、双方向整流性の電流-電圧特性を持つ非選択的カチオンチャネルであること、香辛料や防虫成分に応答することなどを突き止めた。現在、ミツバチにおける発現部位の同定やミツバチやショウジョウバエ幼虫を用いた行動解析が進行中である。これらに加えて、キイロショウジョウバエの近縁種からTRPA1をクローニングし、電気生理学的解析を行うことで機能差を生み出すドメインの同定を試みている。
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Research Products
(4 results)