2007 Fiscal Year Annual Research Report
遷急区間侵食と基盤岩石物性を組み入れた岩盤河川の地形発達モデルの構築
Project/Area Number |
07J02271
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
早川 裕一 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遷急区間 / 滝 / 岩盤河川 / 河川縦断面形 / 数値地形モデル / 空間情報科学 / 地形学 |
Research Abstract |
岩盤河川の遷急区間侵食(後退)速度について、河川侵食力と岩盤強度との両要素のパラメータからなるHayakawa and Matskura(2003)による予察式をもとに、その式の適用可能性と、侵食速度に対する環境要素(地形・地質・気候・水文等)の検討・評価を進めた。これまで、房総半島の滝を対象とした当初のデータを含め、阿蘇外輪山、日光華厳滝、あるいはコロラドフロントレンジ(USA)の山地河川などにおいては、Hayakawa and Matsukura(2003)の式は遷急区間の侵食速度の相違は、流量、滝の規模および岩盤強度の組み合わせによって説明され得ることが示されてきていた。しかしながら、立山称名滝、および台湾中西部の河川群から得られたデータの解析を行ったところ、これらの河川における遷急区間侵食は上記の予察式により予測される侵食速度よりもはるかに大きい速度で実際に侵食されていることが明らかとなった。これらは、現地観察やGISを用いたDEM解析に基づいた解釈として、河川を流下する礫などの運搬物質が河床の侵食を促進している可能性があると議論されている(Hayakawa, et. al.,2008)。今後さらに詳細な解析を行うために、より多くの分析事例を収集することが肝要である。 また、こうした遷急区間の各大陸の山地地域における分布を調査するために、地形情報(DEM)の収集・整理を行った。たとえば、地形情報として全世界をカバーするSRTM(解像度90m)を入手し、ワークステーションにおけるGISによって統合管理を行い、河川の縦断面形を取得しつつある。こうして得られた縦断面形のデータセットから、河床勾配の数値解析を行うことにより、遷急区商の位置を自動抽出することが可能となる。こうして得られた数多くの遷急区間の中から、現地調査を行う遷急区間を選択し、岩盤強度や河川侵食力のデータ収集を実施している。 一方、遷急区間などの現地調査において地形の3次元データを迅速かつ正確に取得するための方法として、Differential GPSとレーザ距離計を組み合わせた測量システムの開発を行った。この手法により、地形が未知の場所においても、数時間から数日間で高解像度の3次元地形データ(DEM)を、低コストで取得することが可能となる。今後の遷急区間地形の現地調査においても活用してゆく予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] GIS analysis of depositional slope change at alluvial-fan toes in Japan and the American Southwest
Author(s)
Hashimoto, A., Ogushi, T., Hayakawa, Y. Lin, A., Saito, K., Wasklewicz, T. A.
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Journal Title
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[Journal Article] Fkuviak Surface along the Khabur River near Tell Seker al-Aheimar and their Palaeonvironmental Inplications
Author(s)
Oguchi, T., Hori, K., Watanuki, T., Oguchi, C. T., Komatsubara, J., Hayaka wa, Y.
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Journal Title
UMUT Monograph Series, Tokyo (In press)
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