2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米山 忠寛 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 日本政治史 / 昭和戦時期 / 経済官僚 / 戦時体制 |
Research Abstract |
研究計画一年目では、当初の研究実施計画の通りに、憲政資料室所蔵の関係文書や国立公文書館所蔵の公文書について調査を行った。その他に、当該時期の総合雑誌・経済雑誌における戦時体制形成についての言説の整埋に力を入れた。ただ、当初の予定よりも官僚集団の政治的な側面へと関心が移ったこともあって、その点について再度の史料調査が必要となってきている。 本研究では近代日本政治史研究の中で、戦時期の経済官僚の動向や構想を切り口として、戦前・戦中・戦後を通した全体像の把握を試みていった。「戦時体制」形成の求めに応じて、経済官僚は如何なる対応を行ったのか。彼らは新たな改革要求に対処すると共に、「戦時」の先例を常に参照をしていった。そのことが昭和期に「明治憲法体制」の「体制内での変革」がなされていった中で重要な役割を果たしたものと考えられる。戦時期に行われた様々な体制改革・行政改革の持つ意味を整理することで政治史的な分析が可能となることが期待される。 平成19年度の研究業績としては、昭和期の陸軍出身の2人の首相を対象として伝記的な研究についての分析を行った。これは本研究とは対象となる時期が同じで、その別側面(広義の官僚制としての軍官僚)についての関心から行ったものであり、本研究と密接な関係を持っている。そして現在執筆中の博士論文とも強い関連がある。上記の業績の他には博士論文に関連した部分に力を注ぎ、成果が公表できるよう準備をしている段階である。
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Research Products
(1 results)