2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂質を標的にした新しい免疫システムの解明〜皮膚免疫をモデルとして〜
Project/Area Number |
07J02308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 篤司 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グループ1CD1 / ランゲルハンス細胞 / 脂質 |
Research Abstract |
ヒトCD1Aゲノム遺伝子を導入することにより作製したCD1aトランスジェニックマウスにおける、各組織でのCD1a分子の発現を、免疫組織化学的手法およびフローサイトメトリーを用いて網羅的に検討した。その結果、表皮ランゲルハンス細胞および胸腺皮質において、限局的にCD1a分子が発現していることが判明した。このことから、我々が作製したCD1aトランスジェックマウスは、ヒトにおけるCD1a分子の組織発現を忠実に再構築したこれまでに報告のないマウスであることが明らかとなった。 次にこのCD1aトランスジェニックマウスにおけるCD1a拘束性T細胞応答の検証を行った。BCG生菌を接種したマウスにBCG菌より抽出した総脂質をチャレンジし、2週間後に脾臓細胞を回収した。この脾臓細胞からMACSビーズを用いてCD4陽性T細胞またはCD8陽性T細胞を分離し、抗原ならびにCD1a陽性樹状細胞の存在下で活性化を受けるT細胞をELISPOTアッセイにより検出した。その結果、CD4陽性T細胞ポピュレーションにおいて、BCG脂質を特異的に認識しインターフェロンガンマを産生するT細胞の存在が明らかとなった。さらにこのT細胞の活性化は抗CD1a抗体によって阻害された。このことから、このCD1aトランスジェニックマウスにおいて、機能的なCD1a拘束性T細胞が分化していることが実証された。 以上のことより、我々はヒトのCD1a分子組織発現と機能を再構築したマウス系統の作出に成功し、本申請研究の基盤が確立された。
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Research Products
(2 results)