2007 Fiscal Year Annual Research Report
カロリング期教会改革の研究-バイエルンの事例を中心に-
Project/Area Number |
07J02312
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
津田 拓郎 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カロリング / 初期中世史 / 教会会議 / 王国集会 / 教会改革 / フランク王国 |
Research Abstract |
本年度は当初の予定通り教会改革改革活動の背景となる、東フランク王国の教会国家としての特質の検討を主として行った。特に「教会会議」と「王国集会」が王国統治においてどのような役割を果たしていたのか、これらの間の差異は同時代人によってどのように認識されていたのかなどを中心に検討を行った。ここでは、ピピン期・カール期とは異なる状況が東フランク王国に存在していたことが解明されるとともに、西フランク王国、中部フランク王国(ロートリンゲン、イタリア)における状況との比較検討が今後不可欠であることが示された。これらの問題は来年度以降検討される予定である。これら「教会会議」「王国集会」に関する研究で得られた成果を、日本西洋史学会等の学会・研究会で発表し、多くの研究者・大学院生と意見を交換することができた。また、その成果は2008年4月に論文の形で発表される。2007年9月から2008年3月にかけては、ミュンヘンのMonumenta Germaniae Historicaを拠点として、史資料収集活動を行った。ミュンヘンでは、バイエルン州立図書館所蔵の写本の閲覧も行った。ドイツ滞在中はRudolf Schieffer教授をはじめとする中世史研究者らに研究成果の報告を行うとともに、研究内容についての助言を受け、さらに現地の大学院生やMGHで研究する客員研究員らと積極的に情報交換を行った。また、ウィーンで行われたStaat und Staatlichkeit imeuropaischen Fruhmittelalter,500-1050、ミュンヘンで行われたMediavistische Editionen imdigitalen Zeitalterなどの国際シンポジウムにも参加し、欧米の学会の最新の情報収集も積極的に行うことができた。
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Research Products
(3 results)