2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 雄哉 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 海洋細菌 / 群集構造 / ブロモデオキシウリジン / 増殖 / 細菌生産 / 植物プランクトンブルーム / マイクロビーズアレイシステム |
Research Abstract |
本研究は、海洋細菌群集の群集組成とその増殖を定量する新手法BrdU immunocytochemistry(BIC)-FISH法を用いて、海洋細菌主要系統群の細菌生産への寄与を定量的に見積もると同時に、基礎生産の変動とリンクして増殖する過程を解析することを目的としている。2005年8月から2006年8月に広島湾で行った定点観測試料についてのBIC-FISH解析は終了し、解析の結果から、Roseobacterグループは植物プランクトンブルームと同調して増殖し、CFBグループは植物プランクトン崩壊期に増殖していることが明らかとなった。また、植物プランクトンブルームに対する細菌群集の応答を詳細に調べるため、2007/4/16から4/30まで西部北太平洋に形成される春季ブルームを追跡する航海(淡青丸海洋研究開発機構)に乗船し、試料採取を行った。また、2007年5月に人工的にブルームを起こさせるメソコズム実験を実施した。解析の結果、西部北太平洋に形成された4つの植物プランクトンブルームの内、2つのブルームからは、細胞サイズが非常に大きい「鎌状」の特徴的な形態を持ったGammaproteobacteriaの増殖が確認された。これらの細菌群の増殖は、これまでのメソコズム実験によって行われてきたブルーム応答実験では確認されておらず、ブルームを構成する植物プランクトンの種類、生理状態によって応答してくる細菌系統群が大きく異なることが明らかとなった。また、海洋細菌の群集構造を迅速に解析することができる新手法マイクロビーズアレイシステムについて、培養細菌株を用いた方法論の確立を行った。この結果16S rRNAをターゲットとした検出が可能であり、さらに蛍光強度からRNA量の定量が可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)