2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工的な画像を含む多階調画像のベクターグラフィックスを用いた画像符号化方式
Project/Area Number |
07J02363
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河村 圭 Waseda University, 国際情報通信研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 画像符号化 / ベクターグラフィックス / ベクター変換 / Total Variation / 人工画像 |
Research Abstract |
多階調静止画像のベクター変換を,動画像に対しても適用するための研究を行った.フレーム間の冗長性を削減するための基本構造を検討し,画像を均等色成分とテクスチャ成分に分解することとした.これは,入力画像に人工画像と自然画像が混在する場合でも破綻が生じない仕組みの基本となる. そこで,動画像符号化に適した均等色成分を抽出する手法を検討した.近年,画像への適用が精力的に研究されている全変動ノルムに着目し,本研究への適用方法や高速化について提案を行った.具体的には,均等色成分の抽出する繰り返し計算において,計算途中の推移を陽にする離散化手法を提案し,再急降下法の適用を実現した.このことにより,従来は制御が困難であった全変動ノルムの数値計算を容易にし,適用可能な分野を拡張した.また,繰り返し計算における処理量の削減と,繰り返し回数の削減を同時に実現した. 上記と平行して,静止画像におけるデモシステムを構築し,研究成果実用化の可能性が高いことを確認した.精細度は低いが解像度の高いディスプレイと,解像度は低いが精細度の高いディスプレイを用いて比較実験を行った.その結果,近年市販されている高精細ディスプレイで,十分な性能が得られているため実用化は近いと言える. 画像を均等色成分とテクスチャ成分に分解することは,画像が視覚される前段階をモデル化しようとするものである.均等色成分のベクター変換により,画像の拡大や縮小が容易に実現される.なお,従来の周波数分解による画像の分解は,既存の画像符号化の基本原理にもなっており,視覚系のモデル化を実現している. これらの研究を具現化する場として.電子ペーパと呼ばれる高精細ディスプレイや,そのコンテンツである電子書籍が挙げられる.ベクター変換及びベクターグラフィックスは,これらの符号化技術の一翼を担う基礎技術となる.
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Research Products
(2 results)