2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工的な画像を含む多階調画像のベクターグラフィックスを用いた画像符号化方式
Project/Area Number |
07J02363
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河村 圭 Waseda University, 国際情報通信研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 画像符号化 / ベクターグラフィックス / ベクター変換 / グラデーションメッシュ / 電子ペーーパー / 曲線特徴量 |
Research Abstract |
多階調静止画像からグラデーションメッシュと呼ばれるベクター表現の一つに変換する研究を行った.昨年度までの画像を均等色成分とテクスチャ成分に分解する手法を拡張した.これによりベクター表現による画像符号化の普遍的な位置づけが後述するように明瞭となる. 本研究では,ベクター表現として急峻なエッジとグラデーションを再現可能なグラデーションメッシュを新たに採用した.これまで,人手を介してインタラクティブに変換する手法が提案されていた.そこで,非線形最小二乗問題に帰着させる方法に着目し,画像符号化を前提とした初期値を自動的に与える手法を提案した.その結果,人手を介することのない変換を実現し,ベクター表現を用いた画像符号化の実現可能性を示した. また,従来の画像符号化方式では視覚のモデル化を実現していた.これに対して提案する画像符号化方式では,画像に含まれるオブジェクトの形状とこれに起因する不連続性をグラデーションメッシュとして,差分をテクスチャとしてモデル化している.その結果,本研究は符号化歪みを形状劣化とテクスチャ劣化に分けて制御可能な画像符号化であると位置づけられる. さらに,書き込みが可能な電子ペーパーの開発キットを利用して,提案している画像符号化方式の実現性と閲覧性について検討した.その結果,符号化方式としては実現可能であることを明らかにした.しかし,表示の書き換えにかかる時間が長く,電子ペーパーそのものの閲覧性や操作性が高いとはいえない. 最後に,曲線特徴量を抽出するDifference of Curvatureアルゴリズムを提案した.この特徴量は画像の縮尺(スケール)に普遍であり,さらに抽出に大きな影響を与えるしきい値が必要ない.また,これまで提案しているベクター変換の手法との整合性が高く,ベクター表現による視覚的に安定した階層符号化が可能となる.
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Research Products
(8 results)