2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02375
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 祥江 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 免震 / 積層ゴム / 非線形復元力モデル / 変動軸力 / 大変形 / 極限挙動 |
Research Abstract |
長周期成分を含む巨大地震発生の懸念、及び地震後の建物機能維持や財産の保全といった地震防災の高度化を背景として、免震構造はより広範囲に及ぶ挙動評価が求められている。本研究は、主要な免震装置である積層ゴムを対象により広範囲に及ぶ挙動評価が可能な解析手法を提案し、それを用いて免震建物の極限挙動を解析的に把握することを目的とする。 平成20年度においては、前年度において提案した積層ゴムの解析モデルを用いて、近年使用実績の高い鉛プラグ入り積層ゴムの極限挙動の解析的把握、及び積層ゴムの解析モデルの精度が免震建物の地震応答解析結果に与える影響についての検討を行った。これにより、非線形の材料特性と減衰機能を持つ鉛プラグ入り積層ゴムの極限挙動は、材料の非線形特性が強く生じるせん断ひずみ200%を超える高ひずみ領域においては、材料の線形性を仮定した理論解では評価しきれないことを確認した。また、免震建物の地震応答解析においては、積層ゴムのせん断ひずみが250%を超えるような大きな応答を示す場合、解析モデルの精度により上部構造の応答に差が生じることを確認した。積層ゴムにおけるせん断-軸力間の相互作用を無視した場合、上部構造の応答を過少に評価する危険があり、また、地震時の変動軸力を無視した場合、免震層の曲げ特性を過少に評価し、その結果上部構造応答を過大に評価する可能性が明らかとなった。以上の結果より、より広範囲に及ぶ免震建物の挙動評価には、非線形の材料特性と高ひずみ領域における軸力の影響による水平特性変化を同時に考慮できる本提案モデルのような解析手法による評価が必要であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)