2007 Fiscal Year Annual Research Report
優勢卵胞ダブル選抜モデルによるウシ卵胞選抜遺伝子の機能解析と排卵誘起法への展開
Project/Area Number |
07J02379
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
林 憲悟 National Institute of Agrobiological Sciences, 動物科学研究領域生殖機構研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | 家畜繁殖 / 牛 / 卵巣 / 卵胞発育 |
Research Abstract |
1)優勢卵胞ダブル選抜モデルを用いた、卵胞発育に伴う特異的な遺伝子発現の網羅的解析 卵胞選抜時および選抜後における、優勢卵胞ダブル選抜モデルの2個の優勢卵胞と、通常の排卵後の第1卵胞波の主席卵胞および閉鎖卵胞における遺伝子発現動態を解析するため、優勢卵胞ダブル選抜モデルの2個の優勢卵胞および排卵後の第1卵胞波の優勢卵胞と閉鎖卵胞を、卵胞選抜時(卵胞吸引後2日目または排卵後2日目)および卵胞選抜後(卵胞吸引後5日目または排卵後5日目)に卵巣を摘出して採取した。採取した各卵胞から、卵胞膜と顆粒層細胞を採取した。 2)ウシ大卵胞における遺伝子発現の網羅的解析 本研究は、ウシ主席卵胞の発育および閉鎖に特徴的な発現を示す遺伝子群の特定を試みることを目的とした。黒毛和種雌牛より採取した卵巣から、直径8mm以上の卵胞(5個)を単離し、ウシオリゴDNAマイクロアレイを用いて各卵胞の遺伝子発現動態を解析した。その結果、卵胞間で20倍以上の発現差が認められた遺伝子は78個だった。クラスター解析の結果、卵胞は2つのグループに分類された。一方のグループ(3個)は、46個の遺伝子の発現が高く、その中には、FSHレセプターやCYP19など、健常卵胞で高い発現が報告されている遺伝子が含まれていたことから、このグループは健常卵胞と推測された。もう一方のグループ(2個)では、IGFBP5やTIMP1などを含む32個の遺伝子が高発現を示し、閉鎖卵胞であると推測された。さらに、78個の遺伝子のうち19個について、リアルタイムPCR法によりmRNA発現を定量した。本研究より、大卵胞における遺伝子発現動態の相違が明らかとなり、主席卵胞の発育および閉鎖に、それぞれ特異的な遺伝子群が関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)