2008 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体の組織化による表面反応場の構築とその応用
Project/Area Number |
07J02381
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋山 龍人 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遷移金属錯体 / 自己組織化単分子層 / 単分子層触媒 / ホスフィン / ロジウム / イリジウム / ヒドロホウ素化 / ヒドロシリル化 |
Research Abstract |
本課題では有機変換反応に対する高い反応性、選択性を有する触媒の開発を目的として、固体表面上での自己組織化単分子層形成を利用する触媒反応場の構築法に関する研究を行っている。表面上に高密度かつ高い配向性を有する金属錯体の単分子層を形成することで表面上の分子どうしの協奏作用が期待できる新規な触媒反応場を構築できると考えている。 これまでに独自開発した自己組織化に適した構造のかご型ホスフィン骨格を末端に有するアルカンチオールを金表面上で自己組織化することで高密度ホスフィン単分子層を形成している。ホスフィン上をロジウムまたはイリジウム錯体化した高密度金属錯体単分子層触媒はアルコール脱水素シリル化やアルケンのヒドロホウ素化など種々の有機変換反応において従来の触媒よりも遥かに高い反応性、寿命、基質選択性を示すことを見出している。 当該年度では、単分子層触媒の反応性制御を目的として、多成分単分子層形成による表面反応場の構築を行った。イリジウム錯体と水酸基を末端に有する分子を1:3で混合した単分子層を形成し、アルケンのヒドロホウ素化反応の触媒として用いたところ、イリジウム錯体のみの単分子層と比較して1.5倍の高い活性を示した。また、ロジウム錯体単分子層を用いたアルキンのヒドロシリル化反応において、長さの異なる分子との混合分子層を構築することで反応部位から離れた立体障害を認識して基質選択性が変化する現象も見出している。このように種々の分子と遷移金属錯体の混合分子層を形成することによって幅広いタイプの触媒反応場を簡便に構築することが可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Synthesis of Silica-Supported Compact Phosphines and Their Application to Rhodium-Catalyzed Hydrosilylation of Hindered Ketones with Triorganosilanes2008
Author(s)
Hamasaka, G.; Kawamorita, S.; Ochida, A.; Akiyama, R.; Hara, K.; Fukuoka, A.; Asakura, K.; Chun, W. J.; Ohmiya, H.; Sawamura, M.
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Journal Title
Organometallics 27
Pages: 6495-6506
Peer Reviewed
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