2007 Fiscal Year Annual Research Report
凝集系内核反応の観測と制御-金属リチウム相転移によるリチウム・重陽子核融合加速
Project/Area Number |
07J02402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥谷部 祐 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 凝集系核科学 / 低エネルギー原子核反応 / 核融合 / 核変換 |
Research Abstract |
固体・液体リチウムを標的に重陽子を照射し、6.7Li+d核融合反応率を実測した。その結果、標的リチウムが固体状態よりも液体状態の方が反応率が高いことが明らかとなった。このことは、化学的な状態が原子核反応に影響を及ぼしうることを示しており、化学反応により原子核反応率を制御可能であることを示唆している。このことは旧来の常識を覆す結果となりうる。今後、核融合反応率増大への指針が確立されれば、エネルギー源をはじめとして様々な応用に発展しうることから、反応率の実測は重要な意味を持つ。 6.7Li+d核融合反応から得られた知見を基に、入射粒子を重陽子から陽子に変更し、7Li+p核融合反応の測定を行ったところ、先行する実験を支持する結果が得られた。これを更に発展させるために、当初予定にはなかった硝酸リチウム化合物標的の実験を企画した。反応増大率は金属リチウム単体には及ばなかったが、化合物標的実験の継続により当初目標へと近づける方向性が見出された。 装置の故障により、一部予定を変更して研究を行った。3年目に予定していたガス透過実験を繰り上げて取り組み、有意な検出器の開発に成功した。
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Research Products
(2 results)